映画「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」★★★☆☆
面白かった。いくつか腑に落ちない場面もあったが・・・。
あのグエムルのリアルさに圧倒された。
此の手の韓国映画の好きなところは、気持ち悪いグロテスクなところを
ちゃんと描いている。人間の負をちゃんと描いている。殺人の追憶もそうだった。
冒頭からグエムルが登場して、このあともつのかなと思ったが 上手いこと
飽きずに見れた。アメリカ映画だとそこは、じらしてじらしてジャーンって登場する。が、グエムルは、ストレートに登場。その部分に着眼点がある作品ではないので納得。家族愛。この作品は!
親父のカンドゥのダメっぷりが、さらに娘に対する思いを引き立てている。
食事のシーンが好きだ。娘がいないはずなのに、そこにいる。一緒に食事をしている。
人間どんな極致になってもお腹はすく。眠くもなる。
そんな人間臭いところをきちんと描いているセンスが好きだ。
他の作品でよくコイツいつ寝てるんだよ!って突っ込みたくなる時がある。
ちょっとずつ小笑も入れている。
ダメ親父が店番をするシーン。
店のするめを食べてしまい、怒られるシーン。
お葬式のシーン。
麻酔をさせられるシーン。
おじいさんが死ぬシーン。
ただ、アメリカ軍が介入するところが分かりづらい。
また、なぜウィルスがいなかった事実を隠していたのか
グエムルの目的は(人を食べるのなら、下水溝に持って行かなくても・・・)
んん?? と思ってしまった。やっぱり流れは大切で、途切れてしまったら
いけない。細かいところをつっこんでしまう。
特に皮肉を込めたと思われるアメリカ軍の介入は、んん??と思った。
もっとストレートに描いてくれればスッキリしたのに。
腑に落ちない部分を流してしまっても、面白さがあった。
家族の個性がすごい
ダメおやじのカンドゥ(ソン・ガンホ)は、さすがです。「殺人の追憶」の印象からこのダメっぷりを見せつけられた。彼の存在観があっての作品だった。グエムル以上の存在観だ。
ナムジュ(ペ・デゥナ)は、しっかりしているように見えて肝心なところで外してしまう。でも、正義感が強くて家族思いなのが 一番伝わった。
個人的にペ・デゥナは、「リンダ・リンダ・リンダ」の女子高生のイメージが強かったが・・・やはり大人の顔も持っていることを目の当たりにした。
次男ナミル(パク・ヘイル)。正直一番印象に残らなかった。いや、他の人が濃すぎる。
娘ヒョンソ(コ・アソン)は、終止下水溝で泥だらけになっている姿だっった印象だ。
あまりかわいいとは言えないが、やはりおやじ目線で見ていくうちに情が湧いてくる。
しかも、お葬式の写真がやけにかわいく見えるから不思議だ。
父親ヒボン(ピョン・ヒボン)。せつない死でした。ダメ息子のせいで死んでしまったんだから。
でも少し苦笑いしてしまった。これが監督の笑いなんだと思った瞬間だった。
私の印象で一番大きなことは、たぶん同じアジア人が演じていること。
顔が近いだけで感情移入しやすい。
例えばハリウッドで同じものを作っても、やはりそれは娯楽映画という存在で終わってしまう。
しかし今回は、現実的に色々なことを考えた。グエムルは、人間の負の現れだ。
解説:
韓国の人々のオアシス、漢江(ハンガン)に突如出現した怪物を巡る事件に肉迫するパニック映画。怪物に娘を奪われた一家の奮闘を描く。情けない父親から一変、闘うお父さんを体当たりで演じるのは『南極日誌』のソン・ガンホ。その妹役を『リンダ リンダリンダ』のペ・ドゥナ、弟役を『殺人の追憶』のパク・ヘイルが演じている。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどを手がけたニュージーランドの WETAワークショップが、魚に似たリアルな怪物を作り上げた。
ストーリー:
ソウルを流れる大河の漢江(ハンガン)に、謎の怪物“グエムル”が現れ、次々と人を襲う。河川敷で売店を営むパク家の長男カンドゥ(ソン・ガンホ)の中学生の娘、ヒョンソ(コ・アソン)も怪物にさらわれてしまう。カンドゥは妹ナムジュ(ペ・ドゥナ)らとともに病院に隔離されていたが、携帯電話に娘からの連絡が入ったことから一家で脱出を試みるが……。
製作年度 2006年
上映時間 120分
監督 ポン・ジュノ
製作総指揮 チョ・ヨンベ 、キム・ウテク 、ジョン・テソン
脚本 ポン・ジュノ 、ハ・ジョンウォン 、パク・チョルヒョン
音楽 イ・ビョンウ
出演 ソン・ガンホ 、ピョン・ヒボン 、パク・ヘイル 、ペ・ドゥナ 、コ・アソン
by bantan_hq_21
| 2006-09-21 17:20
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